「うちは若い会社なんです」という言葉から始まった
縁は、既存クライアントである平和エンジニアリングの社長からの紹介でした。「ぜひ一度会ってみてほしい」。その言葉を受けてヒアリングに臨んだ先で聞いたのが、「うちは若い社員が多くて、それが強みなんです。でもそれが伝わっていない」という話でした。
三協則武鋼業は1960年創業の鋼板加工センターです。熱延・酸洗・表面処理鋼板の販売から、レベラー・シャーリング・レーザー加工までを一貫して手がけています。製鉄所と直結した岸壁クレーンを保有し、大切りから小ロット多品種まで短納期で対応できる体制は、製造業の中でも際立った強みです。
しかし当時のWebサイトや会社案内には、そうした強みも、現場で働く若い社員の顔も、ほとんど見えていませんでした。採用を強化したいので協力して欲しいという依頼でした。
Web・動画・会社案内を「採用ブランド」として一体設計する
私たちが提案したのは、Webサイト・動画・会社案内の3点を別々の制作物として作るのではなく、「三協則武鋼業という職場を求職者に伝えるメディア」として一体で設計するアプローチです。この3点をセットで一体設計することは、採用まわりのご相談で私たちがいつもご提案している視点です。
採用の文脈では、人が人を動かします。スペックや福利厚生の一覧より、「ここで働いている人がどんな人か」「どんな空気の現場か」が、求職者の判断に大きく影響します。特に若い人材を採りたいのであれば、若い社員が主役として登場していることが重要です。私たちはそう判断しました。
軸に据えたのは、「現場にいる人の顔と声を見せる」というシンプルな方針。Webサイトは技術情報を並べるだけでなく、社員の姿や職場の雰囲気を伝えるコンテンツを前面に出す設計にしました。動画は、現場の動きと社員の表情をドキュメンタリータッチで撮影し、「このチームの一員になりたい」と思えるトーンを目指しました。
撮影の日は、現場にとって特別な時間になる
制作過程で印象的だったのが、撮影日の空気でした。写真・動画の撮影には、実際に現場で働く社員の方々に立ち会っていただきました。「自分たちが主役になっている」という感覚が自然と生まれ、普段の仕事への誇りが写真や映像に滲み出るような時間になりました。
私たちが制作の現場で繰り返し経験することがあります。採用ツールをつくることが、同時に社員のエンゲージメントを高める場になるということです。このプロジェクトでも同じことが起きました。完成した制作物に対しては、外部への発信効果だけでなく、社内の反応も温かいものでした。
採用ページの追加と、継続する関係
2021年の初回制作から関係は続き、2024年には採用ページを新たに追加しました。「Create the Future」。私たちがサイトに込めたキャッチコピーの通り、次の世代が主役になれる職場づくりを、採用コミュニケーションの側面から引き続き支えています。
技術を持った会社が、その会社らしさを正直に伝える
製造業において採用は経営課題の中核です。
その会社らしさを正直に伝えることが、長く働いてくれる人材との出会いにつながります。
Webと紙と映像を束ねた「採用ブランド」の設計が、製造業の現場でどう機能するかを体現できたプロジェクトです。